フルマラソンへの道 その3

 

 

初めて4kmを完走した私は、自宅に戻りまずは横になった。

とにかく息が「ぜーぜー」言って足が「パンパン」に張って心臓が「バクバク」言っている。まさに『満身創痍』という小難しい言葉をむやみに使いたくなるほど、その時の私の体はボロボロだった。

しかし、当時の私にとって「限界」とも言える4kmを走りきり、私は次の展開を考えていた。

 

「もっと速く走りたい」

「もっと長く走りたい」

 

今さっき限界まで走ったばかりなのに既に「次は何分で」「次は何kmを」ということが頭をよぎっていた。ただ、その時点の私の足はまさに限界に近い状態でかなりの筋肉痛が予想される。

「まずは1日か2日休んでから走ろう」

そう誓った私はその日の足の痛みをこらえながら就寝した。

 

 

翌朝、意外にもすんなり目は覚めたが起きようと足を着くとこけてしまった。そう、これが筋肉痛だ。

しかし、30歳を過ぎると筋肉痛は翌日ではなく翌々日に来るのでは、という話がある。あまりに想像を絶する筋肉痛のため、翌日に一気に来ては足がパンクするから翌々日にも少し筋肉痛を分けてあげよう、という神様の親心なのだろう。

そう勝手に解釈した私はその日の仕事を何とかやり過ごし「魔の翌々日」を待った。

 

 

そして、4kmを走った「翌々日」いつものように目覚めた私はまず足の状態を確認した。布団から起きようと足を着いた私は思わず普段出さないような声をあげた。

「エ゛ッ!」

なんだこの痛みは!確かに翌日より翌々日の方が筋肉痛がひどい事は予想していた。

 

しかし、あまりの痛みに私は驚いた。

「これが4kmを走りきった筋肉痛なのか!」

この日に練習をするかどうか少し考えながらこの日も仕事へ向かった…

 

 

 

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