初めてのレース、10kmマラソンを快走した私は調子に乗り
「これならハーフも間違いなく行ける!」
とかなり自信過剰になっていた。
そして、私は勢いに乗り1ヶ月後にあるハーフマラソンの申し込みをした。
それからの練習は10kmを繰り返し走る練習に変わった。しかも当時はただひたすら1kmを5分ペースで走るペース走ばかり。もっとバリエーションを考えた練習をすれば良かったのだろうが、当時の私にそんな知識はない。
今なら、ハーフマラソン(21.0975km)を走るのだから15~20kmの練習をすべきとなるのだろうが、前回の10kmレースを軽快に走れたことで「10kmをしっかり走ればハーフなんて余裕だよ」と本気で思っていた。
そして迎えた人生初のハーフマラソン。その大会名は「さっぽろ祭りマラソン」
「私のハーフデビューには最高の大会だ!」と思い、私はスタートラインに立った。
いよいよ人生初のハーフマラソン、そのスタートラインに立ってしまった私。
これまで10~12kmの練習を、1キロ4分30秒~5分くらいのペースで重ねてきたので正直言って自信はあった。
「練習通りに走れば1時間40分位だろう」そんな安易な予想をしながら号砲とともにスタートを切った。
スタート直後から10キロまではいいペースだった。5キロを22分台、10キロを45分台でクリアした私は、
「これは間違いなく目標をクリアできる、余裕だな!」そう思いながら走っていると12~13キロ辺りで体に異変が起きた。
いつもの練習距離を超える世界に入った途端、そこにはまさに「別世界」が待っていた。
呼吸はまだまだ大丈夫、しかし足がおかしい。何かで足を縛られたような痛みが出てきた。そのまま私はズルズルとペースを落とし、15キロ辺りからは遂に走れる状態ではなくなっていた。
私はとうとう歩いてしまった。
「あぁ、情けない。あんなに自信があったのになんだこれは?」
走れない自分が悔しくて情けなくて私は少し涙ぐんでしまった。
そんな私をよそに前半で抜かしたと思われるランナーたちが私をスイスイと抜いていく。
「こんな屈辱はない」
そんな思いを胸にゴールに向かい私は歩き続けた。
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