2年目のシーズン初めで、最低記録を更新した直後の私に更なる悲劇が襲った。走り終わって携帯を見ると留守電が…しかも5月3日の祝日に。
慌てて電話をすると社長が「休日に申し訳ないが、会社に集まってくれ」と言われた。嫌な予感は的中した。私が勤める会社が倒産するのだ。
「さわやか」という名称のマラソン大会に出たのに寂しい帰路となった。
そして帰宅すると、どうも私の腰が痛い。
筋力だけは自信のあった私は、まさか自分が腰痛になるなんて思いもしない。練習もせずに走ったせいか、倒産によるショックのせいかいずれにしても腰が痛くてちゃんと歩けない。っていうか立つのもやっと。
それからしばらく練習を休む事になった。
ただ、その腰の痛みは2週間ほどでなくなり、程度もちょっとピリピリして素早い動きが出来ないくらいのものであった。
しかし、その時腰が痛くなったのは今でも原因不明である。まぁ、いずれにしても腰の痛みは徐々にやわらぎ次の大会に向けてジョギングを始めようと思うところだったが、もっと大変なことが起きていた。
そう、会社の倒産だ。ジョギングなんてしている暇はなかった。
当時、私は総務部に属していたのでいつの間にか手続きの責任者みたいな立場に追いやられ、倒産に際しても非常に重要かつ嫌な役回りをさせられた。単なる係長なのに「何で俺がこんなことまで…」と毎日のように思っていた。
まぁ詳しくは言えないが、債権者の方々にも従業員の方々にも申し訳ない思いで一杯だった。しかし、私は役員ではないので会社全体のことだけではなく従業員の退職に関する各種手続きも色々やった。
今になって思えば「いい勉強になった」と言えるが、当時は本当に嫌だった。
そんなこんなで倒産にかかわる作業は1ヶ月間続いた。
「やっとジョギングが出来る」
と思い練習を再開したが、体力は相当落ち込んでいた。
倒産手続きをしているうちに大会への参加申し込みも忘れていたため、なんのも目的もなくジョギングする日々が続いた。
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