アスリートはスポーツすることにより健康になる反面、ケガや故障のリスクもあるので、メリットとデメリットはあるのかもしれません。
そのデメリットの一つと言えるかもしれないのが、屋外で行うスポーツでは「紫外線」を浴びる時間が長くなり、体に悪影響が出てくる可能性があります。
紫外線による体への影響は短期と長期に分かれますが、短期的には日焼けによる痛み・紫外線角膜炎・免疫機能の低下、長期的には皮膚のしわシミ・皮膚がん・白内障などです。
皮膚のシミやしわは加齢による現象と思うかもしれませんが、実は紫外線による慢性傷害の結果なので紫外線を多く浴びた人とそうでもない人ではシミやしわの量は異なります。
また、日本人は比較的皮膚がんになる確率は低いそうですが、罹患した場合は早期に治療しなければ転移して命にかかわることも少なくありません。
強い紫外線を目に浴びた場合に起きる紫外線角膜炎は充血・異物感だけではなく強い眼痛を感じることもあります。屋外にいる時間が長い人は、翼状片と呼ばれる白目が黒目に侵入する症状で視力障害をきたすこともあります。
一般的に白内障は加齢や喫煙が原因と思われるでしょうが、日本人の場合は水晶体の中にある皮質が濁る「皮質白内障」が多いため、紫外線もその影響の一つであると言われております。
白内障は目の前側にあるレンズのような「水晶体」が濁るため、老眼が進んで視界が徐々に黄色くなったり、ライトが異常に眩しく感じたり増幅することがあるため、車の運転など生活に支障をきたしてきます。もちろん、治療をしなければ最終的には失明に至ります。
実際に全世界では2000万人近くの人が白内障で失明しており、世界の失明原因の第一位になっておりますが、その20%は紫外線が原因と言われております。
実際に強い日光を浴びるタンザニア人は、先ほどのような短期的な目の障害になる人は日本人の4倍で、若いうちから老眼や白内障になる人が多く、白内障手術をする人も少ないので50代で失明している人も多いと言われます。
紫外線はよく反射すると言われますが、その反射率はコンクリート・アスファルト・水面で+10%、砂浜で+10~25%、新雪で+80%ですので、沖縄よりも北海道のスキー場にいる方が紫外線の量は多い可能性があります。
また、紫外線は高度が1000m毎に10%増えますので、富士山の山頂に行くと紫外線は地上の約1.4倍になると言えます。だから、雪山登山などは地上の何倍もの紫外線を浴びることになるので、サングラスは絶対に必要でしょうね。
以上のように、紫外線が人に与える影響は非常に高く、しかも長い年数をかけてその影響が蓄積されることから、本来は子供のうちから紫外線を浴び過ぎないようにすることが重要です。
ただ、体内のカルシウムを調整するビタミンDは日光による合成で吸収されるビタミンDの方が使われやすいと言われるのでわずかな日光は必要ですが、わずかな面積で15分浴びる程度でよいので、わざわざ日光浴をするほどの時間は必要ありません。
先日の箱根駅伝でも多く見られたように最近のスポーツ選手は大きなサングラスをする人が増えましたが、それでも子供がサングラスをしている確率は非常に低いです。
将来に向けて紫外線の影響を少なくするためには、子供の頃から帽子やサングラスをすることが必要です。日本ではサングラスをすると生意気だとか格好つけていると思われがちですが、老眼や白内障が早まるかもしれないと考えたら今すぐ紫外線対策をすることをお勧めいたします。
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