トライアスロンへの道 その13

 

プールで大会での距離2000mを泳げるようになると、今度は海での本格的な練習に入った。

同じオロロントライアスロンに出る仲間達と、合同のスイム練習会に何度も出た。海水浴場でのスイム練習はいつも早朝だった。黒いウェットスーツを着た軍団が海水浴場を黙々と泳ぐ姿はまさに異様だ。

練習スケジュールの関係もあるのだろうが、その異様な光景を見られないためにも早朝だったのだろうか。ただ、その頃は早朝練習にも慣れていたし現実問題として、そうでもしないとロングトライアスロンに出場するには練習時間が足りなかった。

 

やはりプールで泳ぐのと海で泳ぐのは全く違う。まず足が着かないという心理的な恐怖心と、波があって呼吸がきれいに出来ないという技術的な問題だ。

プールでの練習はもちろん必要だが、実際に波のある海で泳ぐ練習も相当必要だなぁ、とその時は感じた。

 

でも、海で泳ぐ時のメリットも当然ある。

塩分濃度が高いこともあるが、ウェットスーツを着ているので体が沈まない。体が沈まないということは浮力が増すので、水泳が下手な私がプールでやっていたような「沈まないための余計な力」は必要なくなる。

だからプールで泳ぐ時のような苦しさは少なくなる。

 

とはいえ、海にはプールのようなラインはないので、まっすぐ泳ぐための技術や感覚が必要だ。実際のところかなり左右にクネクネ動き、かなり余計な距離を泳いでいた。

これを解消するには、時々顔を前に上げて目標になるものを目指して泳げるようにならなくてはならない。実はこれが結構難しかった。

 

海でのスイム練習はとにかく慣れるしかない。そう思い、それからは仲間との練習会の他に自分1人で早朝練習をやった。

スピードが遅いのは最初から解っていたので、あとは極力真っ直ぐ泳げるようになるしかない。海で泳ぐ時は2回に1回片方だけで息継ぎをしていたので、その途中に前側で息継ぎする動作を織り交ぜていきたい。

しかし、現実はそう上手く行かない。何度練習しても前側で息継ぎをするなんて出来なかった。

いずれにしてもスイムは遅いので、ある程度の距離を泳いだら犬掻きをしながら方向を確認するしかない、という結論になった。

 

 

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