📋 2013年大会・概要一覧
- 開催日時: 2013年8月25日(日) AM 9:00 スタート
- 天候・気温: 快晴(スタート時約24℃、湿度69%)➡ 後半に激しい雷雨・スコール
- 本大会の歴史的瞬間: 北海道マラソン史上初、完走者が1万人を突破!
- 参加者数: 出走 11,981人 / 完走 10,480人(完走率 87.5%)
1. 「順位」を目標に据えた夏、そして急展開のアイアンマン
毎年、北海道マラソンでの目標は「自己ベスト更新」と決めていました。しかし、最高気温が30℃前後になる真夏のレースでベストを出すのは至難の業です。 そこで今年は趣向を変え、「過去最高順位(2010年の909位)の更新」を隠裏の目標に据えました。これなら天候に左右されず、自分の実力を客観的に測れるからです。
そんな中、6月に大事件が起きます。サロマ湖ウルトラマラソンの打ち合わせで集まった7名のうち、自分以外の6名が全員、8月末の「アイアンマン・ジャパン北海道」にエントリーしていたのです。後半の話題はアイアンマン一色。強烈な刺激を受けた私は、翌日に226kmのロングトライアスロンへのエントリーボタンを押してしまいました。
「どちらの大会が大事か」などと悩む暇はありません。まずは目の前の北海道マラソンに100%集中することを誓いました。

当日、睡眠時間は3時間弱でしたが体調は悪くありません。スタート40分前、大通り駅の地下街でいつでも走れる体勢に着替え、地上へ。Dブロックの熱い眼差しを背中に感じながら、テレビ塔のカウントダウンを見つめます。号砲が鳴り、大混雑の渋滞を抜けてスタートラインを越えたのは2分58秒後でした。
📊 スタート時の現実
- スタートロス: 0:02:58
- 通過順位: 6,819位
2. 罠の下り坂を「キロ5分」でコントロールする冷徹さ
ススキノの渋滞を抜け、中島公園から幌平橋の緩やかな登りを越えていきます。
📊 5km地点クリア
- スプリット: 0:28:26
- 5kmラップ: 0:25:28
- 通過順位: 5,747位
5km通過の28分台は想定の範囲内でしたが、「このままではベストに届かない」という焦りが一瞬よぎります。 ここからは5キロ以上も緩やかな下り坂が続く平岸街道。毎年誰もが爆発的にペースを上げて自滅する罠の区間です。私はここで、しっかりペースを上げつつもコントロールする大人の走りに徹しました。
汗臭いランナーたちの熱気で湿度MAXの創成トンネルをくぐり抜けると、外は灼熱の太陽が待っていました。
📊 10km地点クリア
- スプリット: 0:52:15
- 5kmラップ: 0:23:49(下り坂を突っ込みすぎずカバー)
- 通過順位: 5,464位
3. 魔の新川通。「熱中症」の兆候を打ち砕いた、ボランティアの笑顔
新設されたファンランのランナーたちが旧道庁へ向かうのを見て「俺もあそこでゴールしたい…」と弱気が一瞬頭をもたげますが、即座に雑念を振り払います。給水所では頭と股関節に水をぶっかけ、スポンジを脇に挟んで徹底的に体温を下げました。
持病の外反母趾が痛み出す18km付近を抜け、いよいよトップランナーとすれ違う広大な新川通へ。
📊 15km&20km地点クリア
- 15kmスプリット: 1:16:09(5kmラップ 0:23:54)
- 20kmスプリット: 1:40:12(5kmラップ 0:24:03)
- 通過順位: 5,000位 → 4,573位

📊 中間地点通過
- スプリット: 1:45:41
ここでなんとかキロ5分ペースまで戻しましたが、例年ならここからスタミナ不足でガクンと落ちるポイントです。遮るもののない新川通の気温は25℃を大きく超え、私の身体にも頭痛と吐き気という「熱中症」の初期症状が出始めていました。
📊 25km地点クリア
- スプリット: 2:05:06
- 5kmラップ: 0:24:54
- 通過順位: 4,117位
春にこの近くで事故に遭われた市民ランナーのご冥福を片手で祈りながら、折り返し地点をUターン。 30km手前、エネルギー切れ(糖質オフ)で頭がクラクラする中、救世主が現れます。30kmエイドでボランティアをしていたトライアスロン仲間のM医師です。「M先生~!」と叫ぶと、驚きながらも力強く手を振ってくれました。この瞬間、熱中症の苦しさはどこかへ吹き飛びました。
4. スコールの神風と、絶対に負けられない「メタボランナー」との死闘
📊 30km&35km地点クリア(ここから伝説の加速)
- 30kmスプリット: 2:31:02(5kmラップ 0:25:56)
- 35kmスプリット: 2:57:30(5kmラップ 0:26:28)
- 通過順位: 3,792位 → 3,441位
35km通過タイムを見て、脳内で冷徹に計算します。「これまでのベストは3時間34分台。残り7kmちょっとをキロ5分で維持すれば、ベスト更新がいける!」。
その瞬間、空にドス黒い雨雲が広がり、ゴロゴロと雷鳴が響いたかと思うと、ザーッとバケツをひっくり返したようなスコールが降り注ぎました。 普通なら最悪の天候ですが、私にとっては「超・恵みの雨」。一気に体温が下がり、身体が信じられないほど軽くなったのです。
さらに、目の前に「メタボ」という言葉がぴったりの体型のランナーが走っているのが見えました。 「自分がこれだけ命がけで自己ベストの走りをしているのに、あのランナーに負けるわけにはいかない!」 アスリートとしてのプライドに強烈な火がつき、私は一気にギヤを切り替えました。北大構内に入り、ラストスパート用の飴を口に含むと、足は完全にリバイバルしていました。
📊 40km地点クリア(驚異のビルドアップ!)
- スプリット: 3:22:53
- 5kmラップ: 0:25:23(35km以降にまさかのペースアップ!)
- 通過順位: 3,060位
5. 大歓声のハイタッチ、そして手中に収めた「サブ3.5」
残り2.195kmを11分で走ればベスト更新。ヨドバシカメラの横を過ぎる頃には完全にラストスパートの臨界点に達していました。隣を走る一回り年上のベテランランナーを「絶対負けない!」という気合でもぎ取るように抜き去り、大通公園の最後の直線へ。
鳴り響く大歓声、差し出される無数の手。自己ベスト更新を確信していた私は、応援してくれる見ず知らずの人たちと満面の笑みでハイタッチを交わしながら、栄光のゲートを駆け抜けました。
🏁 フィニッシュ(生涯忘れない栄光の瞬間)
- ネットタイム:3時間32分54秒(自己ベストを1分半更新!)
- ラスト2.195km:10分01秒(驚異のキロ4分34秒ペース!)
- 最終登録順位:2,926位
そして、後からデータを確認して驚愕することになります。スタートの号砲からのタイムであるグロスタイムは「3時間29分54秒」。なんと、念願のサブ3.5を真夏の北海道マラソンで達成していたのです!
終わってみれば完走者が初めて1万人を超えた歴史的な大会で、40歳を過ぎてもまだまだタイムは伸びるという最高の証明ができたレースでした。

……とはいえ、余韻に浸っている時間はありません。私の頭には「6日後、226kmのアイアンマンに出場する」という狂気的な現実が残っていました。大通り公園でおにぎりを食べ、オーロラタウンのマックに駆け込んでジャンクにエネルギーを補給すると、私は足早に自宅へと帰路につきました。



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