Sports Encyclopedia 009
カーリングCurling
氷上のチェス——重さ約20kgの花崗岩ストーンをハウスの中心に滑らせ、スウィープで軌道を操る冬季スポーツ。北海道・常呂町から世界へ、日本のカーリングの聖地が生んだオリンピックメダリストたちの物語。
4人
1チーム
人数
人数
10端
標準
エンド数
エンド数
1998
冬季五輪
正式採用
正式採用
🥈🥉
日本女子
五輪メダル
五輪メダル
基本データ BASIC DATA
分類
冬季スポーツ / 氷上競技(ターゲット系)
リンク
幅約5.5m × 長さ約42.5mのシート(コース)。1つの競技場に複数シートを設置
用具
ストーン(直径30cm・重さ約20kgの花崗岩)+ブラシ(スウィープ用)+専用シューズ
試合形式
各チーム交互に8投ずつ(4人で2投ずつ)。10エンド繰り返し、総得点で勝敗を決定。試合時間は約2時間30分
得点方式
エンド終了時、ハウス(同心円)の中心に最も近いストーンを持つチームのみ得点。中心に近い順に相手チームのストーンより近い分だけカウント
統括団体
WCF(世界カーリング連盟)/日本:公益社団法人 日本カーリング協会(JCA)
五輪採用
1924年シャモニー大会でデモンストレーション競技。1998年長野大会から冬季五輪正式種目。2018年から混合ダブルスも追加
愛称
「氷上のチェス」——高度な戦略と読み合いが必要なことから
シートの構造と基本ルール SHEET & RULES
ハウス得点を争う同心円。中心(ボタン)に最も近いストーンを持つチームが得点
ホッグラインストーンを投げる際、このラインまでに手を離さなければならない
スウィープブラシで氷面をこすり、摩擦熱でストーンの速度・曲がりを微調整する
スキップチームの指揮官。ハウス付近でスウィーパーに指示を出し戦略を指揮する
カールの仕組み
ストーンに弱い回転をかけると、速度が落ちるにつれて自然に曲がる(カールする)。この曲がりを計算して投球するのが基本技術。
スウィーピングの効果
氷面を掃くことで摩擦熱が生じ、ストーンを遠くに進ませたり曲がりを抑えたりできる。投球後もチームで軌道をコントロールできる点がカーリング独自の面白さ。
ハンマー(後攻の利)
エンドの最後にストーンを投げる権利「ハンマー」を持つチームが戦略的に有利。前のエンドで得点したチームは次のエンドで先攻(ハンマーなし)になる。
掛け声(コール)
スキップの「ヤップ(スウィープしろ)」「ハード(強く)」「ウォー(やめろ)」といった独特の掛け声が試合中に飛び交い、観戦の楽しさのひとつになっている。
カーリングの聖地・北海道常呂町 TOKORO · HOKKAIDO
🏔️ CURLING HOLY LAND · KITAMI / TOKORO
人口5,000人の町から5人の五輪代表が生まれた
1980年、北海道とカナダ・アルバータ州のスポーツ交流事業でカーリングを学んだ常呂町(現・北見市)の参加者が帰郷後に手作りの用具で始めたことが日本のカーリング普及の原点。翌1981年には専用リンクを設け第1回NHK杯を開催。1988年には日本初のカーリング専用ホールを完成させた。
1998年の長野オリンピックでカーリングが正式種目に採用された際、当時人口わずか5,000人だった常呂町から5名の五輪代表選手が選ばれたことは全国に衝撃を与えた。以降、北見・常呂はロコ・ソラーレをはじめとする世界水準のチームを輩出し続け、日本のカーリングの聖地として知られている。
1980年
常呂町での
カーリング発祥
カーリング発祥
1988年
日本初の
専用ホール開設
専用ホール開設
5人
長野五輪に
常呂町から選出
常呂町から選出
📝
運営者メモ:サロマ湖100kmウルトラマラソンのゴール地点は、この常呂カーリングホールのすぐ横にあります。100kmを走り終えてフラフラになりながら駐車場へ向かうと、必ずこの立派なカーリング場の前を通ることになる。ゴールの感動と達成感のなかで、毎回「でかいな」と見上げながら歩く——それが筆者にとっての常呂の原風景です。
日本代表の五輪メダル OLYMPIC MEDALS
2018年 平昌五輪
🥉 女子 銅メダル
LS北見(ロコ・ソラーレ)
LS北見(ロコ・ソラーレ)
日本カーリング界男女通じて初の五輪メダル。北見・常呂出身の藤澤五月・鈴木夕湖らが世界を驚かせた。「そだねー」が流行語になるほどの社会現象となった。
2022年 北京五輪
🥈 女子 銀メダル
ロコ・ソラーレ
ロコ・ソラーレ
2大会連続のメダルを銀に格上げ。世界ランキング上位のスウェーデン・イギリスを撃破し決勝へ。強豪スウェーデンとの金メダルマッチも熱戦を演じた。
歴史の足跡 HISTORY
16世紀
スコットランドで凍った湖や池の上で石を滑らせる遊びが起源とされる。現存する最古のカーリング用ストーンには「1511年」の刻印がある。
1807年
カナダに移住したスコットランド人によって王立カーリングクラブが設立。現在の公式ルールの多くはカナダで確立された。
1924年
第1回冬季オリンピック(シャモニー)でデモンストレーション競技として実施。
1937年(日本)
山梨県・山中湖でカーリング大会の記録が残る。日本でのカーリング最古の記録とされる。
1980年(北海道・常呂)
北海道とカナダ・アルバータ州のスポーツ交流事業でカーリングが常呂町に伝わる。参加者が帰町後に手作りの用具でプレーを開始し、日本のカーリング普及の礎を築く。
1988年(北海道・常呂)
日本国内初のカーリング専用ホール「常呂町カーリングホール」がオープン。全国から選手が練習拠点として訪れるようになる。
1998年(長野)
長野冬季オリンピックで正式種目に採用。常呂町から5名の日本代表が選出され話題に。日本でのカーリング認知度が一気に高まる。
2006年(トリノ)
女子代表・チーム青森の全試合がテレビ中継され7位入賞。懸命なプレーが日本中に感動を与え、カーリング人気が急上昇する。
2018年(平昌)
女子代表・LS北見(ロコ・ソラーレ)が銅メダルを獲得。日本のカーリング史上初の五輪メダル。「そだねー」が流行語大賞を受賞するほどの社会現象となった。
2022年(北京)
ロコ・ソラーレが銀メダルを獲得し2大会連続でのメダルを達成。また同年の世界ジュニア選手権でジュニア女子日本代表が初優勝を飾る。


