フルマラソンへの道 その1 2kmも走れなかった日

フルマラソンへの道

30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。

30歳を過ぎると、体は正直だ。

20代までは何も気にせず過ごしていたのに、30歳を過ぎた頃から少しずつ体形が変わり始めた。特に気になったのがお腹まわりだった。

22歳の頃は47kgしかなかった体重も、気が付けば60kg近くまで増えていた。お腹にはしっかり脂肪がつき、以前は普通に着られたスーツも、だんだん苦しくなってきた。

「これはマズい……」

そう思った私は、何か運動を始めようと考えた。

当時、少しずつ流行り始めていたのが「ウォーキングダイエット」。

有酸素運動は20分以上続けると脂肪が燃え始める――そんな話を信じて、夏の夕方、サンダルを履いて近所を30分ほど歩いてみた。

ところが、歩き終わった感想は意外なものだった。

「退屈だ。」

「これじゃ時間がもったいない。」

歩くこと自体は苦ではない。しかし、私には何か物足りなかった。

そこで翌日、思い切ってジョギングに挑戦することにした。

もちろん、ランニングシューズなんて持っていない。

普段履いていた運動靴を履き、あらかじめ車で測っておいた約4kmのコースへ向かった。

「まずは4km走ってみよう。」

そんな軽い気持ちでスタートした。

走り始めは気分が良かった。

たしか土曜日か日曜日の夕方だったと思う。まだ日差しが残る暖かい時間帯で、気持ちよく走り出した。

ところが、2kmにも届かないうちに体が悲鳴を上げ始めた。

「足が痛い……。」

どこが悪いのか分からない。ただ、とにかく痛い。

さらに、

「息が苦しい。」

「心臓がバクバクする。」

次々と体に異変が起こり、スタートした時の勢いはあっという間に消えていった。

そして、ついに走れなくなった。

まだコースの半分にも達していない。

「こんなバカな……。」

本当は5km走ろうと思っていた。

自信がなかったので4kmに短くしたのに、それでも走り切ることができない。

悔しかった。

情けなかった。

結局、残り約2kmは半泣きになりながら歩いて帰るしかなかった。

しかし、この日の悔しさが、まさか25年以上走り続ける人生の始まりになるとは、この時の私は夢にも思っていなかった。

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