市民トライアスロンでは、散々な結果に終わった。
それでも私は、黙々とスイミングスクールに通っていた。
大会は日曜日。
翌日の月曜日もスクール。
火曜日もスクール。
練習では、いつも25メートル泳いで折り返す。
ところが、その先が続かない。
25メートルまでは何とかなる。
でも、折り返してから50メートルに届く前に、苦しくなって足を着いてしまう。
そんなことを繰り返していた。
「やっぱり、まだまだだな……」
そう思いながら、火曜日のスクールも終わった。
しかし、その日はそのまま帰らず、居残りで練習することにした。
いつものように泳ぎ始める。
25メートル。
折り返す。
苦しい。
それでも、そのまま進んでみる。
すると――
50メートルまで、足を着かなかった。
「……あれ?」
自分でも驚いた。
50メートル泳げた。
今まで、どうしても届かなかった50メートルを泳いでしまった。
とはいえ、まだ自信はない。
「たまたま運が良かっただけだろう」
そのくらいに思っていた。
ところが、その2日後。
今度は100メートルまで泳げた。
「えっ、100メートル?」
自分で泳いでおきながら、自分が一番びっくりしていた。
どうやら、たまたまではなかったらしい。
それまで何度やっても25メートルの壁を越えられなかったのに、突然、その壁を越えてしまった。
泳げるようになるというのは、こういうことなのか。
このとき初めて、少しだけ先が見えてきた。
そして私は、ますますスイミングスクールに通うようになった。
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