ラクロスとは?ルール・特徴・競技人口を解説!2028五輪復活と日本の歴史

Sports Encyclopedia · LA2028 特集 001

ラクロスLacrosse

「クロス」と呼ばれる網付きスティックでボールを操り、ゴールを狙う「地上最速の格闘球技」。1908年ロンドン五輪以来120年ぶりに、2028年ロサンゼルス大会で正式競技として復活する。日本では1986年に慶應義塾大学の学生が始めたばかりの若いスポーツが、いま世界の大舞台に挑もうとしている。

150km+
シュート
速度(時速)
1986
日本での
発祥年
120年
ぶり
LA2028
五輪復活
95
カ国
World Lacrosse
加盟(2025)
📋
基本データ BASIC DATA
分類
クロス(スティック)競技 / 北米先住民発祥のゴール型球技 英名:Lacrosse
用具
先端に網の付いたスティック「クロス」で、直径約6cm・重さ約150gの硬質ゴム製ボールを操作する。シュート速度は時速150kmを超えることもある
主な形式
伝統的な10人制フィールドラクロスに加え、2028年五輪で採用される6人制シックス、屋内で行うボックスラクロスが存在する
男女の違い
男子はヘルメット・グローブなど防具を着けたコンタクト(接触)ありの激しいプレーが特徴。女子は防具が少なくノンコンタクトが基本というように、同じ競技でもルール体系が大きく異なる
統括団体
World Lacrosse(2008年に男女の国際団体が統合、2019年に現名称へ)/日本:公益社団法人 日本ラクロス協会(JLA)
五輪との関わり
1904年セントルイス・1908年ロンドン大会で正式実施。以降1928・1932・1948年に公開競技として登場したのち、長らく五輪から離れていたが2028年ロサンゼルス大会で120年ぶりに正式競技として復活する
🥍
主なフォーマット FORMATS
🏟️
フィールドラクロス(10人制)
55m×100m・15分×4Q

ゴーリーを含む10人対10人で行う伝統的なスタイル。広いフィールドを使い、持久力とチームワーク、フィジカルの強さと高度なスティックさばきが求められる、北米で発展してきた基本形。

🥇
シックス(6人制)
70m×36m・8分×4Q・五輪種目

2028年ロサンゼルス五輪で採用される新形式。少人数・短時間で成立するため五輪向きとされ、男女各6チーム・1チーム11人編成で実施される予定。スピーディーな展開が魅力。

🏒
ボックスラクロス
屋内・アイスホッケーリンク大

アイスホッケーのリンクほどの広さの屋内コートで行う形式。北米ではプロリーグもあり、狭いスペースでの激しい接触プレーが特徴。日本代表にも専用チームが編成されている。

⚖️
男子・女子のルール差
同じ競技でも別物のような違い

男子は防具着用の上でボディチェックが認められる激しい競技。女子は伝統的に接触が制限され、防具も最小限。同じ「ラクロス」という名前でも、実際の試合の様相はかなり異なる。

🇺🇸
ロサンゼルス2028——120年ぶりの五輪復帰 LA2028
🏆 LA2028 · 追加5競技の一つとして採用

野球・ソフトボール、クリケット、スカッシュ、フラッグフットボールと共に復活

2028年ロサンゼルス大会では、野球・ソフトボール、クリケット、ラクロス、スカッシュ、フラッグフットボールの5競技が追加種目として採用された。ラクロスにとっては、公式競技として実施された1908年ロンドン大会以来、実に120年ぶりの五輪復帰となる。競技形式は男女各6チームによる6人制「シックス」で行われ、1チーム11名編成での実施が予定されている。

日本は2026年に女子世界選手権、2027年に男子世界選手権の開催を予定しており、LA2028に向けて競技の認知度を高める絶好の機会と位置づけている。日本代表はここ数年、世界選手権で男女ともに5位前後という好成績を残しており、世界でも強豪国の一角に数えられる存在だ。

🇯🇵
日本ラクロスの原点——慶應義塾大学から始まった歴史 ORIGIN IN JAPAN
🎓 KEIO UNIVERSITY · わずか15人から始まった競技

ファッション雑誌の1枚の写真がきっかけだった

日本にラクロスの用具やルールが持ち込まれたのは1966年、ポール・ラッシュ氏によるものとされるが、実際に競技として根付いたのは1986年のこと。慶應義塾大学に入学したばかりの学生15人が、ファッション雑誌で紹介されていたラクロスに興味を持ち、駐日カナダ大使館・アメリカ大使館を通じて情報を集め、多摩川の河川敷でチームを結成したのが全ての始まりだった。

翌1987年には日本ラクロス協会(JLA)が設立され、同年10月に国内初の公式戦が行われた。1988年には国内初のリーグ戦もスタート。以来40年足らずで、競技人口は全国で約1万8千人、加盟チーム数は約320〜360チームにまで拡大し、北海道から九州まで大学生を中心に高校生・社会人へと選手層を広げてきた。

🏅
日本代表の国際成績 NATIONAL TEAM RESULTS
大会代表結果
世界選手権2023(サンディエゴ)男子日本代表30カ国中5位(過去最高タイ)
世界選手権2022女子日本代表5位(歴代最高位)
ワールドゲームズ(直近大会)男子日本代表銅メダル
ワールドゲームズ(直近大会)女子日本代表6位
男子日本代表
世界選手権1994年〜正式参加

選手の多くが大学からラクロスを始め、社会人としても活躍する「二刀流」が特徴。2023年サンディエゴ世界選手権では30カ国中5位に入り、世界の強豪国の一角としての実力を示した。

女子日本代表
世界選手権1993年〜正式参加

1997年には東京・江戸川区に女子世界選手権を招致した実績を持つ(大会結果は7位)。歴代最高順位は5位で、男子と並び世界のトップ10に近い位置につけている。

📜
歴史の足跡 HISTORY
17世紀
北米の先住民族が祭事や戦闘訓練のために行っていた格闘技が起源とされる。境界線を設けず、100〜1000人規模が数日間にわたり参加する神聖な儀式でもあった。
19世紀後半
入植したフランス系移民がルールを整備しスポーツ化。用具が僧侶の杖(Crosse)に似ていたことから「La-Crosse」と名付けられ、カナダの国技となった。
1904・1908年
セントルイス・ロンドンの両五輪で正式競技として実施された。以降1928・1932・1948年には公開競技として登場している。
1986年(日本)
慶應義塾大学の新入生15人がラクロスに興味を持ちチームを結成。日本における競技の第一歩となった。
1987年(日本)
日本ラクロス協会(JLA)が設立され、同年10月に国内初の公式戦が開催された。
2008年
男子の国際ラクロス連盟(ILF)と女子の国際女子ラクロス協会(IFWLA)が統合しFILが発足。2019年に「World Lacrosse」へ改称し、2021年にはIOCの正式承認を受けた。
1993・1994年(日本)
女子・男子それぞれの日本代表が世界選手権に正式参加を開始した。
1997年(日本)
東京・江戸川区で女子世界選手権を招致・開催。日本代表は7位という結果を残した。
2023年(日本)
サンディエゴで行われた男子世界選手権で日本代表が30カ国中5位に入り、過去最高タイの成績を記録した。
2024年
IOCがロサンゼルス2028大会の追加競技としてラクロス採用を正式決定。1908年ロンドン大会以来120年ぶりの五輪復帰が決まった。
2026・2027年(日本)
日本国内で女子・男子それぞれの世界選手権開催が予定されており、LA2028に向けた強化と競技普及の機会となる。