フルマラソンへの道 その27 5km関門に間に合うか

フルマラソンへの道

30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。

公園内の渋滞は、想像以上だった。

前へ進みたくても進めない。

立ち止まる人。

前のランナーにつまずいて転ぶ人。

焦りから声を荒げる人までいた。

「これが北海道マラソンなのか…」

そんなことを考えている余裕もなかった。

頭の中は、ただ一つ。

5km関門。

スタートしてまだ1kmにも満たないというのに、時計だけがどんどん進んでいく。

当時の北海道マラソンは、最初の5km関門が29分。

号砲からの時間で管理されていたため、最後尾からスタートした私には決して余裕があるとは言えなかった。

「このままでは、本当に最初の関門で終わってしまう。」

ようやく公園を抜けて一般道へ出た瞬間だった。

それまで歩くような速度だった集団が、一斉に加速した。

まるで堰を切ったように、何千人ものランナーが一気に走り出す。

私もその流れに乗った。

心拍数は一気に上がり、まるで10kmレースのスタート直後のようだった。

本来ならフルマラソンでこんな走り方をするはずがない。

でも、この時だけは違った。

まずは関門を突破すること。

それしか頭になかった。

ようやく5km地点が見えてきた。

「間に合った。」

その瞬間、肩の力が一気に抜けた。

周りのランナーたちも同じだったのだろう。

さっきまで必死に飛ばしていた集団が、まるで打ち合わせでもしたかのように一斉にペースを落とした。

私も深呼吸をひとつして、自分のリズムを取り戻す。

ここからは、無理をしない。

キロ5分前後。

今日の自分が最後まで走れるペースを刻もう。

平岸街道へ出ると、沿道にはたくさんの声援が続いていた。

その声援を受けながら、私はようやく落ち着きを取り戻していく。

北海道マラソンは、ここからが本当のスタートだった。

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