スイムとバイクの練習は、どんどん増えていった。
毎週のように、早朝から夕方まで練習する。
海で泳いで、バイクに乗って、長い距離を走る。
しかも、バイクは100kmどころか160km、180km。
速く走る練習まで始まった。
そうなると、さすがに全部をこなす余裕はない。
他の練習でかなり疲れてしまうと、ジョギングまでする余力がなかった。
これが本音だった。
「トライアスロンに出るんだから、ランニングもしっかりやらなければ」
頭では分かっている。
しかし、身体は、
「今日はもう勘弁してください」
と言っている。
結局、気がつけばランニングの練習量はかなり減っていた。
マラソンランナーなのに、走っていない。
なんとも変な状態である。
ただ、私には少しだけ安心材料もあった。
その年の春は、ハーフマラソンやフルマラソンだけではなく、ウルトラマラソンも完走していた。
これまで長い距離を走ってきた経験もある。
だから、
「多少ランニングの練習が減っても、何とかなるんじゃないか」
という気持ちはあった。
もちろん、最後に42kmを走ることに不安がないわけではない。
それでも、まったく走っていない人間が42kmに挑戦するわけではない。
これまでの貯金はある。
そう思うことにした。
そして、そんな状態のまま時間だけが過ぎていった。
泳ぐ。
自転車に乗る。
また泳ぐ。
そして、長い距離を自転車で走る。
気がつけば、大会はもう目の前だった。
ここまで来ると、練習のことだけを考えている場合ではない。
そもそも私は、本当にこの大会に出られるのだろうか。
実は、ロングトライアスロンには、ショートタイプとは違う参加条件があった。
そして私は、そこで初めて「出場する」ということの重さを知ることになる。
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