オープンウォータースイミングOpen Water Swimming
海・川・湖といった自然の水の中で行われる長距離水泳競技。略称OWS。オリンピックでは10km種目のみが「マラソンスイミング」として実施され、約2時間の激走ならぬ激泳が繰り広げられる。「速いだけでは勝てない」駆け引きの競技に、南出大伸・蝦名愛梨ら日本代表が挑む。
距離
(北京)
目安タイム
最高順位(2016)
OWSの中では短距離にあたり、スピードと位置取りの駆け引きが色濃く出る種目。世界選手権では男女ともに実施されるが、五輪種目には含まれない。
オリンピックで実施される唯一のOWS種目。完泳に約2時間を要し、陸上マラソンに近い過酷さから「マラソンスイミング」と呼ばれる。途中、給水も行われる。
世界選手権で実施される最長距離の種目。5時間前後を泳ぎ続ける持久力の極限を競う。市民マラソン大会でも人気の距離帯だが、10km以下に比べ開催数は少ない。
男子2名・女子2名の計4名がそれぞれ1.5kmずつをリレー形式で泳ぐ種目。世界選手権・ワールドカップなどで実施され、チーム戦略が問われる。
| 項目 | 競泳(プール) | オープンウォータースイミング |
|---|---|---|
| 会場 | 50m/25mプール | 海・川・湖などの自然水域 |
| 泳法 | 自由形・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライ | 自由形(クロール)のみ |
| 距離 | 50m〜1500m | 5km〜25km |
| 環境要因 | 水温・流れは一定 | 水温・波・流れ・視界が変動 |
| 戦術性 | ペース配分が中心 | 集団の位置取り・接触・給水戦略も重要 |
パリ中心部を流れるセーヌ川。1.67kmの周回コースを6周する過酷な戦い
パリ2024のマラソンスイミングはパリ中心部を流れるセーヌ川で開催され、1.67kmのコースを男女ともに6周して10kmを泳ぎきる形式で行われた。川特有の流れの変化(下る区間は加速し、遡る区間は減速する)への対応が勝敗を分ける鍵となった。
日本からは女子に蝦名愛梨、男子に南出大伸が出場。蝦名は終盤まで上位をキープし13位、南出は経験を生かした粘りを見せ15位でレースを終えた。2大会連続で東京五輪にも出場した南出は、「速いだけでは勝てない」戦術的な競技性がOWSの魅力だと語っている。
木下グループ所属。東京五輪では13位、パリ五輪では15位という結果に終わったが、2大会連続で日本男子代表を務める第一人者。競泳から主戦場をOWSに移した経緯を持ち、「速いだけでは勝てない」競技性に魅力を感じていると語る。
日本体育大学出身、自衛隊所属。パリ五輪では前半から積極的に攻める泳ぎを見せ、一時は3位に浮上する場面もあった。競泳でも代表選考会1500m自由形で優勝するなど実力を持つ「デュアル・スイマー」。
2012年ロンドン五輪で平井康翔とともに、日本人として初めてOWSでオリンピック代表に選出された先駆者。日本におけるOWS競技の五輪初出場を切り開いた。
2016年リオデジャネイロ五輪で男子が8位入賞を果たし、女子も12位となるなど、選手強化が着実に実を結んだ大会。これは現時点で日本のOWS五輪最高順位の一つとされる。


