30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。
初めて4kmを完走してから2日。
まだ筋肉痛は残っていた。
仕事を終えて帰宅した私は、玄関で靴を見つめながら考えた。
「この状態で走っていいんだろうか……。」
朝ほどの激痛ではない。
歩く分には何とかなる。
しばらく悩んだ末、
「今日は少しゆっくり走ろう。」
そう決めて外へ出た。
走り始めは、まだ筋肉痛が残っていた。
一歩一歩足を前へ出すたびに太ももが痛む。
ところが、不思議なことに走り続けていると、その痛みがだんだんしびれのような感覚へ変わっていった。
「何だ、この感覚は?」
もちろん当時は何も知らない。
ストレッチもリカバリーも知らない。
筋肉痛のまま走るのが良いのか悪いのかさえ分からない。
それでも、とにかく4kmだけは走ろうと思った。
2km。
3km。
そしてゴールが近づく頃には、しびれは再び痛みに変わっていた。
何とか自宅へ戻り、時計を見る。
23分30秒。
前回より約1分も速い。
「えっ!?」
今日は筋肉痛だから遅くなると思っていた。
むしろペースを落として走ったつもりだった。
なのに速い。
「長距離走って奥が深いな。」
そんなことを思ったのを今でも覚えている。
この頃の目的は、もちろんダイエットだった。
だから本来なら、
「速く走ること」
ではなく、
「長く続けること」
のほうが大切だったはずである。
ところが、タイムが縮むと人間は欲が出る。
「もう少し速く走れるかもしれない。」
そう思うようになっていた。
それから私は、少しずつペースを上げていった。
4kmで20分を切る。
次は5km。
そして5kmでも25分を切った。
走るたびに新しい目標が見つかる。
「走るって、こんなに楽しいんだ。」
そんな気持ちが日に日に大きくなっていった。
そしてある日、ふと思った。
「10kmのマラソン大会に出てみようかな。」
この何気ない思いつきが、後にフルマラソン、100kmウルトラマラソン、そしてトライアスロンへと続く長い旅の始まりになるとは、この時の私は想像もしていなかった。


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