30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。
初めて4kmを歩かずに走り切った私は、自宅に戻ると、そのまま床に倒れ込んだ。
息はゼーゼー。
足はパンパン。
心臓はバクバク。
今思えばたった4kmなのだが、当時の私には人生で一番苦しい運動だった。
「もうしばらく走らなくてもいいかな……」
そんなことを思うほど疲れ切っていた。
ところが不思議なもので、人間というのは少し達成感を味わうと欲が出る。
横になりながら考えていたのは、
「もっと速く走れるようになりたい。」
「今度は5km走れるかな。」
そんなことばかりだった。
ついさっき限界まで走ったばかりなのに、もう次の目標を考えている。
今思えば、この頃から少しずつ「ランナー脳」になっていたのかもしれない。
もちろん、その時の足は限界だった。
「1日か2日は休もう。」
そう決めて、その日は眠りについた。
翌朝。
意外と普通に目が覚めた。
「思ったより大丈夫じゃないか。」
そう思って布団から立ち上がろうとした瞬間だった。
ガクッ。
足に力が入らず、そのまま転びそうになった。
そう、筋肉痛である。
しかも30歳を過ぎると、
「筋肉痛は翌日ではなく翌々日に来る」
という話をよく聞く。
私は、
「神様が痛みを2日に分けてくれているんだ。」
と勝手に解釈していた。
一度に全部来たら歩けなくなるから、少しずつ届けてくれる。
そんな都合のいいことを本気で考えていたのである。
その日は何とか仕事をこなしながら、
「本番は明日だな……」
と覚悟していた。
そして翌々日の朝。
恐る恐る布団から足を下ろした。
その瞬間だった。
「えっ!!」
思わず声が出た。
昨日より痛い。
明らかに痛い。
「これが4km走った代償なのか……。」
歩くのもぎこちない。
階段は手すりが欲しい。
それでも私は、
「今日も走れるかな。」
そんなことを考えていた。
今なら間違いなく休む。
でも当時の私は、休むという発想よりも「続けたい」という気持ちのほうが強かった。
これが後に何度も失敗を繰り返す原因になるのだが、その時はまだ知る由もなかった。


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