フルマラソンへの道 その28 初めての手ごたえ

フルマラソンへの道

30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。

5kmの関門を越えると、ようやく周りも落ち着き始めた。

ここからは、自分のペースを守るだけ。

これまで何度もオーバーペースで失敗してきた私は、この日だけは違った。

キロ5分前後。

時計を確認しながら、淡々とリズムを刻んでいく。

平岸街道からすすきの、駅前通、そして三越前を右折して創成川通へ。

北海道マラソンならではの市街地コースには、大勢の観客が詰めかけていた。

15kmを過ぎても、まだ余裕がある。

「今日は最後まで走れるかもしれない。」

そんな気持ちが、少しずつ芽生え始めていた。

対向車線には、すでにトップランナーたちが戻ってくる。

その中でも、一際大きな歓声が聞こえた。

「あっ、千葉ちゃんだ。」

テレビで見ていたトップランナーが、目の前を駆け抜けていく。

その力強く、美しいフォームに思わず見とれてしまった。

同じ大会を走っている。

それだけで、少し誇らしい気持ちになった。

20kmを過ぎても、ペースはほとんど変わらない。

これまでのフルマラソンなら、とっくに苦しくなっていた頃だ。

「今日は違う。」

そんな手応えが確かにあった。

新川通へ入ると、景色は一変する。

建物も少なく、風を遮るものもない。

それでも私は落ち着いて給水を取り、持参していたアミノ酸サプリも補給した。

30kmが近づいても、まだ歩く気配はない。

ここまで順調に走れたフルマラソンは初めてだった。

「このまま行ける。」

そう思い始めた、その頃だった。

少しずつ足が重くなり始めた。

今まで感じなかった疲労が、静かに姿を現し始めていた。

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