100メートル泳げるようになると、今度は面白くなってきた。
もっと泳げるんじゃないか。
そう思うようになった。
それまでは「25メートル泳ぐ」こと自体が大問題だったのに、今度は距離を伸ばすことが楽しくなってきた。
スクールにも、ほとんど毎日のように通った。
そして、泳げる距離はどんどん伸びていった。
50m泳げるようになった2週間後には400メートル。
その翌日には800メートル。
まるで倍々ゲームである。
さらにその4日後。
1500メートルを43分。
更に5日後には、2000メートルを68分で泳いでいる。
自分でも、何が起きているのかよく分からなかった。
ほんの1か月前まで25メートルを泳げるかどうかという段階で、市民大会で大恥をかいた。
それが今では、2000メートル。
しかも68分。
ここで、ひとつ大きな問題をクリアしてしまった。
オロロンライン・トライアスロンのスイムは2000メートル。
そして制限時間は70分。
その70分を、私はついにクリアできるところまで来てしまった。
少し前まで、
「2000メートルなんて、本当に泳げるのか?」
と思っていた。
それが、初心者スクールに通い気が付くと泳げるようになっていた。
しかも、ぎりぎり70分ではない。
68分。
2分の余裕までできていた。
「これなら、スイムは何とかなるかもしれない」
そう思った。
ところが――
ここで、まだ一つ問題が残っていた。
今まで私が泳いでいたのは、全部プールだった。
オロロンライン・トライアスロンで泳ぐのは、海である。
プールには、壁がある。
コースロープもある。
水も比較的おとなしい。
海には、そんなものはない。
そして私は、海で泳いだことがほとんどなかった。
プールで2000メートル泳げるようになった。
だからといって、海でも2000メートル泳げるとは限らない。
次は、海だった。

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