1. 練習不足を「逆算の調整」と「割り切り」でカバーする
この年の7月と8月は、仕事が分刻みで詰まり、重なるストレスもあって思うような走行距離を稼ぐことができませんでした。普通ならここで焦って直前に無理な練習をして自滅するか、諦めてしまうところです。
しかし、私は「大会1週間前まで、短い距離で徹底的に心拍数を上げる(心肺に刺激を入れる)」という超効率的な調整に時間を費やしました。そして直前は思い切って完全なレスト(疲労抜き)状態を作り、身体の軽さを作って当日を迎えたのです。
9時のスタート時点は18.7℃、湿度73%。
これまではCブロックスタートだったため、ロスは1分半ほどでしたが、今回はDブロックへの格下げ。スタートラインを越えるまでに3分47秒を要しました。さらに2分多く待たされたことになります。
しかし、ここでイライラしては負けです。「これも気持ちを落ち着かせるための、ありがたい時間帯だ」と脳内で完全に割り切り、静かに牙を研いでいました。
📊 スタート時の現実
- スタートロス: 0:03:47
- 通過順位: 6,819位(ここから伝説が始まります)
2. 誰もが調子に乗る10kmまでを「完全に殺す」
スタート直後の混雑(5kmまでは28分22秒)を抜けると、身体が動く感覚が出てきます。しかし、今回の作戦は「とにかく前半を徹底的に抑えて、後半のビルドアップを狙う」こと。周りのペースに惑わされず、10kmまでは調子に乗らないよう、ブレーキを踏み続けました。

📊 5km地点クリア
- スプリット: 0:32:09
- 5kmラップ: 0:28:22
- 通過順位: 5,747位
ちょうど10kmに向かうあたりで体が熱くなりかけましたが、ここで天が味方します。雨が本格的に降り始め、最高の天然シャワーとなって体温調整を助けてくれました。
📊 10km地点クリア(鉄の自制区間)
- スプリット: 0:59:11
- 5kmラップ: 0:27:02
- 通過順位: 5,464位(すでに約1,350人をパス!)
3. ベスパ(VESPA)投入と、最高の天候変化

10kmを過ぎてからは、しっかりキロ5分ちょっとの極上ペースを維持。そして17km辺り、ここぞというタイミングで秘密兵器「ベスパ(VESPA)」を投入します。体脂肪をエネルギーに変えるギヤがガチッと入るのを感じました。
📊 15km地点クリア
- スプリット: 1:25:14
- 5kmラップ: 0:26:03
- 通過順位: 5,000位(ぴったりキリ番、さらに464人抜き!)
例年、ハーフを過ぎると徐々に足が重くなりペースが落ち始めるのですが、今年は前半に足を温存したため「気持ち」でいくらでも粘れます。雨で身体が冷え切る寸前で、今度は絶妙に日差しが戻ってくるという、本当に神がかった天候の変化も私を後押ししてくれました。

📊 20km地点&中間地点クリア
- 20kmスプリット: 1:50:59(5kmラップ 0:25:45)
- 中間地点スプリット: 1:56:35
- 通過順位: 4,573位 → 4,432位
4. 「あと5キロ」の執念。北大構内に響き渡るブロディの雄叫び
普通なら、30kmを過ぎると「30kmの壁」に激突し、ラップがガクンと落ちるのがマラソンの常識です。しかし、私の足にはまだ前半に貯金したエネルギーが満ちていました。「ここからが本番だ、あと5キロだけ頑張ろう」と自分を奮い立たせ、25kmから35kmまで25分台のイーブンペースを完全維持します。
📊 25km&30km地点クリア(失速ゼロの衝撃)
- 25kmスプリット: 2:16:26(区間ラップ 0:25:27)
- 30kmスプリット: 2:41:50(5kmラップ 0:25:24)
- 通過順位: 4,117位 → 3,792位
📊 35km地点クリア(ごぼう抜きモード全開)
- スプリット: 3:07:31
- 5kmラップ: 0:25:41
- 通過順位: 3,441位(30kmからさらに350人以上をパス!)
そしてレースはクライマックス、新琴似を抜けて美しい北大構内へ。 38km地点、身体の痛みがピークに達したその時、私は己の限界を突破するために、往年のプロレスラー、ブルーザー・ブロディのような野獣の雄叫びを構内に轟かせました。
「オォォォォーーーッ!!」
静かな構内に響いたその咆哮に、すぐ横を走っていた周囲のランナーたちは完全にビクッとなり、一斉に大量の人が驚いて振り返りました(笑)。しかし、これで自分自身のスイッチは完全に完全にロックオン。気合で足を動かし続けます。
📊 40km地点クリア(ラストに向けて一切タレない!)
- スプリット: 3:33:08
- 5kmラップ: 0:25:37
- 通過順位: 3,060位

5. 3年ぶりの3時間45分切り!後半追い上げ型の快感
大通公園へ向かって最後の角を曲がってからは、残った体力を全て解き放ち、1キロ4分半ペースまで一気に加速する「怒濤のラストラッシュ」。
- ゴールタイム:3時間44分02秒(3年ぶりの3:45切り達成!)
- ラスト2.195km:10分54秒
- スタート時の順位: 6,819位
- 最終ゴール順位: 2,926位
夏の間の練習内容から考えれば、これ以上ない「上出来」の素晴らしいレースでした。やっぱり自分は、後半に人を引きちぎっていく「後半追い上げ型」の方が、圧倒的に性に合っているのだと再確認できた1日でした。


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