30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。
オホーツクマラソンで足の爪を痛めたことで、私の練習は大きく変わった。
以前のようなスピード練習はできない。
その代わり、ゆっくりと長い距離を走る日が増えていった。
当時は知らなかったが、今思えばこれがLSD(Long Slow Distance)だった。
その結果、練習量はこれまでよりも大幅に増えた。
洞爺湖マラソン前の1か月は約120kmだった走行距離が、北海道マラソン前には200kmを超えていた。
しかもペースはこれまでよりずっとゆっくり。
以前なら「こんな遅いペースで意味があるのだろうか」と不安になっていたと思う。
でも、この変化が後の私にとって大きな財産になった。
そんな頃、マラソン仲間のYさんから一つの助言をもらった。
「シューズ、一度専門店で見てもらった方がいいですよ。」
紹介されたのは、札幌にあるランニング専門店だった。
足のサイズを測り、走り方まで見てもらい、自分に合うシューズを選んでもらう。
そんな経験は初めてだった。
さらに勧められたのがオーダーメイドのインソール。
正直、かなり高価だった。
「本当に必要なのかな……。」
そう迷ったが、爪を痛めた原因の一つがシューズとの相性かもしれないと説明を受け、思い切って作ることにした。
完成したのは、北海道マラソンのわずか1週間前。
練習で履けたのは5kmと8kmを軽く走った程度だった。
今ならレース直前に新しいシューズを投入することはあまり勧められない。
それでも当時は、「専門店で合わせてもらったんだから大丈夫。」
そんな気持ちの方が強かった。
そして迎えた、人生初の北海道マラソン。
当時はトップ選手の登竜門ともいわれ、多くの実力者が集まる特別な大会だった。
それまで私が走ってきた市民マラソンとは、どこか空気が違う。
周りを見渡せば、速そうなランナーばかり。
「本当に自分がここにいていいのだろうか。」
そんなことを考えながらスタートブロックへ向かった。
緊張と期待が入り混じる中、号砲の瞬間を待つ。
いよいよ、憧れだった北海道マラソンが始まろうとしていた。


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