フルマラソンへの道 その16 歩かず走ったハーフ

フルマラソンへの道

30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。

会社の倒産、腰痛、そして手術。

思うように走れない日々を乗り越え、ようやく迎えた10月の「札幌マラソン」。

ハーフマラソンとしては4回目の挑戦だった。

これまでの3大会は、いずれも後半で失速し、最後は歩いてしまっていた。

自己ベストは1時間52分01秒。

まずは最後まで歩かずにゴールすること。

それが、この日の一番の目標だった。

もう一つの目標は、いつか北海道マラソンに出場すること。

当時の北海道マラソンは参加資格が厳しく、ハーフマラソンで1時間40分を切ることが条件の一つだった。

自己ベストとの差は12分以上。

今の実力では、とても現実的な目標とは言えなかった。

それでも、いつかそのスタートラインに立ちたい。

そんな思いだけは誰にも負けなかった。

スタートしてからは、自分でも驚くほど冷静だった。

これまで何度もオーバーペースで失敗してきた。

だから今回は、とにかく抑える。

5km、10kmとも予定どおり。

15kmを過ぎても、まだ足は動いていた。

「今日は違う。」

そう思えたのは、初めてだった。

17kmを過ぎる。

いつもなら歩き始めている地点だ。

しかし、この日はまだ走れている。

20kmを1時間38分台で通過したとき、「最後まで歩かずに行ける」と確信した。

真駒内公園へ戻る最後の上り坂。

脚は苦しかった。

それでも歩きたいとは思わなかった。

ここまで積み重ねてきたものを、最後までつなぎたかった。

競技場へ入り、最後の力を振り絞ってゴールラインを駆け抜ける。

タイムは 1時間43分49秒

目標の1時間40分には届かなかった。

それでも自己ベストを約9分更新し、初めて最後まで歩かずにハーフマラソンを走り切ることができた。

この日の達成感は、今でもよく覚えている。


今振り返ると、このレースで学んだことは一つだった。

速く走ることよりも、最後まで走り続けること。

それまでの私は、「速く走ること」ばかり考えていた。

でも、本当に大切だったのは、自分の力を最後まで出し切るペースで走ることだった。

この小さな成功体験が、やがて「北海道マラソンを目指そう」という大きな夢につながっていくことになる。

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