30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。
38℃の熱を抱えたまま、私はスタートラインに立っていた。
今なら間違いなく欠場する。
でも当時の私は、「せっかく申し込んだ大会だから」という、それだけの理由でスタートしてしまった。
号砲が鳴る。
意外にも体は動いた。
熱のせいで体が温まっていたのか、最初の数キロはいつもと変わらないペースで走れていた。
「意外と走れるじゃないか。」
そんなことまで思っていた。
しかし、その考えは5kmを過ぎたあたりで打ち砕かれた。
突然、足がしびれる。
思うように前へ出ない。
頭はぼんやりして視界が揺れる。
「これはまずい……。」
私はコース脇の草むらに倒れ込み、その場に横になった。
何分休んだのかは覚えていない。
ほんの数分だったと思う。
少し呼吸が落ち着き、体が動くようになった私は、再びゆっくりと走り始めた。
当然ペースは上がらない。
それでも給水を重ねながら少しずつ体調は戻り、最後は何とかゴールまでたどり着いた。
タイムは1時間45分23秒。
途中で倒れ込んだにもかかわらず、その年のハーフ自己ベストだった。
今でも理由はよく分からない。
ただ、このレースで一つだけはっきり学んだことがある。
根性と無謀は違う。
熱があるときは休む。
それもランナーに必要な判断だということだった。
しかし、当時の私は、その教訓をまだ完全には理解していなかった。
体調が戻ると、また次の大会へ向けて走り始める。
目標はオホーツクマラソン。
そして私は、また同じ失敗を繰り返すことになる。


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