フルマラソンへの道 その29 またも制限関門

フルマラソンへの道

30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。

「このまま行ける。」

30kmを過ぎた頃、私はそう思っていた。

しかし、フルマラソンはそんなに甘くなかった。

35kmを過ぎると足は一気に重くなり、沿道のスピーカーからは

「35km関門閉鎖まで、あと7分です!」

というアナウンスが聞こえてきた。

「そんなに余裕がないのか…。」

キロ5分で走っているつもりでも、疲労で少しずつペースは落ちていたのだ。

それでも歩きたくはなかった。

そして次に待っているのは、北海道マラソン最大とも言える試練だった。

40km関門。

この大会では、40kmを3時間45分以内に通過しなければ失格。

あと2kmあまり残っていても、そこでレースは終わってしまう。

この関門だけは、どうしても越えたかった。

周りを見ると歩いているランナーも増えていた。

私は思わず、

「40kmまで行けば大丈夫!」

「あと少しですよ!」

と声を掛けていた。

本当は、自分自身を励ましていたのかもしれない。

そして――

3時間45分の制限時間まで、あと3分。

何とか40km関門を通過した。

その瞬間、張りつめていた気持ちが一気に軽くなった。

規定上は、ここを越えれば歩いても完走できる。

でも、私は歩かなかった。

「ここまで来たら4時間を切りたい。」

その思いだけで、最後の2kmへ向かった。

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