フルマラソンへの道 完結編 ラストスパート

フルマラソンへの道

30歳を過ぎて決意したダイエットがジョギングになり、そのままフルマラソンでサブ4を達成するまでの回顧録です。

40km関門を通過した瞬間、私の気持ちは一気に軽くなった。

ここまで来れば完走はできる。

でも、せっかくここまで来たのなら、もう一つだけ目標があった。

「4時間を切りたい。」

それまでの私は、フルマラソンを3回走ってすべて4時間オーバー。

しかも、その1か月前のオホーツクマラソンでは4時間33分。まさか北海道マラソンでサブ4を狙えるなんて、自分でも思っていなかった。

駅前通を南へ向かう頃、不思議なくらい体が動いていた。

30km以降は歩くのが当たり前だった私が、この日は逆に前へ前へと進んでいく。

歩き始めるランナーを一人、また一人と抜いていく。

「まだ走れる。」

その感覚がうれしかった。

沿道の声援に背中を押され、中島公園へ。

ゴールゲートが見えた瞬間、自然とスピードが上がった。

そして――

3時間53分。

初めてのサブ4だった。

前回から40分も自己ベストを更新。

ゴールした瞬間は達成感でいっぱいだったが、立ち止まると足は棒のようになっていた。

荷物を受け取っても着替えができないほど脚が張り、配られていた氷で必死にアイシングした。

その時、隣で同じようにアイシングをしていた見知らぬランナーが話しかけてくれた。

「何回目ですか?」

「次はどこの大会ですか?」

マラソンを始めるまでは、知らない人とこんな会話をすることなんて考えられなかった。

同じ42.195kmを走り切った者同士だからこその、不思議な一体感だった。


今振り返ると、このサブ4は決して才能でつかんだものではない。

速い練習ばかりして失敗を繰り返し、

風邪で38℃の熱があるのにレースへ出場し、

フルマラソンでは何度も歩き、

会社の倒産、腰痛、痔の手術まで経験した。

そんな失敗の積み重ねが、少しずつ私を変えてくれた。

そして、足の爪がはがれたことをきっかけに、知らないうちにLSDのような練習を始めていた。

さらに、自分の足に合ったシューズとインソールにも出会えた。

すべてが少しずつつながって、この日の結果につながったのだと思う。

この時の私は、まだ知らなかった。

このサブ4はゴールではなく、本当のスタートだったことを。

この後、私はトライアスロンの世界へ飛び込み、ウルトラマラソンを走り、トレイルランニングや登山にも夢中になっていく。

すべては、この北海道マラソンで「最後まであきらめなければ道は開ける」と教えられたことが始まりだった。

失敗だらけだったマラソン人生。

でも、その失敗があったからこそ、今の私がある。

そして、この先もきっと、新しい挑戦は続いていく。

コメント